不動産売却時の固定資産税精算方法|日割り計算の仕組みを解説

- 固定資産税の納税義務者は、その年の1月1日時点の所有者です。
- 売却時は引渡し日を基準に日割りし、前日までを売主、当日以降を買主が負担するのが一般的です。
- この精算は法律の義務ではなく、不動産取引上の慣行です。
- 起算日は関東で1月1日、関西で4月1日とする地域慣習があります。
- 受け取った精算金は、売主側では譲渡所得の収入金額に算入されます。
固定資産税 売却 精算 方法の結論

固定資産税の精算は、引渡し日を基準に1年分の税額を日割りして、買主が負担分を売主に支払う方法で行います。
所要時間の目安は、税額と起算日が分かっていれば計算だけなら5分ほど。難易度は低めです。電卓と固定資産税の納税通知書、そして売買契約書があれば足ります。
前提として押さえておきたいのは、この精算が「やってもやらなくてもいい慣行」だということ。funds.jpでも、法律で一律に決まった制度ではなく取引上の慣習だと説明されています。だからこそ、契約書に明記しておかないと後で揉めます。
不動産売却後の固定資産税は誰が負担する?
納税義務を負うのは1月1日時点の所有者である売主ですが、実際の負担は引渡し日で区切って売主と買主が分け合います。

ここが混乱しやすいポイントです。「年の途中で売ったのだから、もう自分は関係ない」と思いがちですが、役所からの請求はあくまで売主に届きます。
私が相談を受けるときも、ここで驚かれる方が多いです。売主がまず全額を納め、そのうえで買主の使用期間分を精算金として受け取る。この二段階で考えると整理しやすいです。
納税義務者は1月1日時点の所有者
固定資産税は、各年の賦課期日である1月1日時点の所有者に課税されます。
国税庁も、固定資産税等は「その年度の初日の属する年の1月1日」を賦課期日としていると明記しています。つまり、1月2日に売っても、その年度1年分の納税義務は売主に残るわけです。
だから売却後に届く納税通知書は、放置せず売主自身が納める。これが大前提です。
売主と買主による日割り清算

日割り精算は、引渡し日を境に、引渡し日前日までを売主、引渡し日以降を買主が負担する形が広く使われています。
三井のリハウスやイクラ不動産でも、引渡し日を基準にした日割り計算が一般的だと説明されています。1年分の税額を365日で割り、買主の所有日数をかけるだけの単純な計算です。
注意したいのは起算日。1月1日起算なのか、4月1日起算なのかで金額が変わります。これは後の章で具体的に試算します。
固定資産税等清算金とは?
固定資産税等清算金とは、買主が自分の所有期間に対応する固定資産税分を、売買代金とは別に売主へ支払うお金のことです。

いえうりの解説でも、精算金は売買代金とは別枠で買主から売主へ支払われることが多いと整理されています。実務では残代金決済日にあわせ、売買代金と同時に精算するのが普通です。
名前は「税金」のようですが、役所に納める税そのものではありません。あくまで売主買主の間でのお金のやり取りです。この性質が、後で説明する消費税の話につながってきます。
不動産売買の際に買主が支払う
精算金は、引渡し日や残代金決済日にあわせて、買主から売主へ売買代金と同時に支払われるのが一般的です。
全日本不動産協会の解説でも、決済時に精算する運用が紹介されています。売主が先に1年分を納税している前提なので、買主が後から自分の負担分を渡す、という流れになります。
決済の場では、司法書士や不動産会社が金額を出してくれることがほとんど。とはいえ、自分でも計算根拠を確認しておくと安心です。
義務ではないが慣例になっている

固定資産税の精算は法律で義務づけられた制度ではなく、不動産取引上の慣習です。
前述のfunds.jpやいえうりでも、地域や契約実務で起算日や計算方法が異なるため、契約書での明記が重要だと指摘されています。やらない選択もできますが、それだと売主だけが1年分を負担することになり、公平感を欠きます。
正直に言うと、私は「慣行だから当然やる」と思い込むのは危ないと考えています。義務ではない以上、合意の内容を文書で残すことが本当の意味での防御になります。
固定資産税等清算金はいくら支払うの?
支払う金額は、その年度の固定資産税額を起算日から1年分として日割りし、買主の所有日数分を計算した額です。

基になる税額は、納税通知書に記載された固定資産税(必要に応じて都市計画税も含む)を使います。最新の税額がまだ分からないときは、前年度の税額を仮に使って精算し、後で差額を調整する方法もあります。
計算の前提は次の通り。これを契約書とつき合わせて確認してください。
| 確認する項目 | どこで分かるか |
|---|---|
| その年度の固定資産税額 | 固定資産税の納税通知書・課税明細書 |
| 都市計画税の有無 | 同じく納税通知書 |
| 起算日(1月1日か4月1日か) | 売買契約書の特約 |
| 引渡し日 | 売買契約書 |
清算額の決まり方は?
清算額は「年税額 ÷ 365日 × 買主の所有日数」で決まり、所有日数は起算日と引渡し日の組み合わせで変わります。
起算日には地域慣習があります。関東では1月1日、関西では4月1日を使う慣習があると、複数の不動産情報サイトが紹介しています。同じ税額・同じ引渡し日でも、起算日が違えば金額が変わる点に注意してください。
| 起算日 | 売主が負担する期間 | 買主が負担する期間 |
|---|---|---|
| 1月1日起算 | 1月1日〜引渡し日前日 | 引渡し日〜12月31日 |
| 4月1日起算 | 4月1日〜引渡し日前日 | 引渡し日〜翌年3月31日 |
負担額をシミュレーション

年税額12万円、引渡し日を10月1日として計算すると、1月1日起算なら買主負担は約3万円になります。
手順で示します。1ステップ1動作です。
- 納税通知書からその年度の固定資産税額を確認する(例:12万円)。ここで都市計画税の有無も見る。
- 契約書で起算日を確認する(例:1月1日起算)。
- 年税額を365で割り、1日あたりの額を出す(12万円÷365=約328.7円)。ここまでで日割り単価が出ていればOK。
- 起算日から引渡し日前日までの日数を数え、売主負担を計算する(1月1日〜9月30日=273日、約8万9737円)。
- 引渡し日から年末までの日数を数え、買主負担を計算する(10月1日〜12月31日=92日、約3万262円)。売主負担+買主負担が年税額にほぼ一致すれば計算は正しい。
| 起算日 | 買主負担日数 | 買主負担額の目安 |
|---|---|---|
| 1月1日起算 | 92日 | 約3万262円 |
| 4月1日起算 | 183日 | 約6万164円 |
固定資産税を支払う際の注意点は?
最大の注意点は、精算金が税金ではなく売買代金の一部として扱われるため、確定申告や消費税に影響することです。

国税庁は、未経過固定資産税等に相当する額の支払を受けた場合、その額は譲渡所得の収入金額に算入されると示しています。つまり、受け取った精算金も売却収入に含めて申告する必要があります。
消費税についても触れておきます。売主が課税事業者で、その不動産が事業用などの課税対象である場合、精算金は売買代金の一部とみなされ消費税の対象になることがあります。マイホームを売る個人にはまず関係しませんが、事業用物件では確認が必要です。
| 項目 | 売主が気をつけること |
|---|---|
| 納税 | 1月1日所有者として、まず自分で1年分を納める |
| 確定申告 | 受け取った精算金は譲渡所得の収入金額に算入する |
| 契約書 | 起算日・税額・端数処理を特約に明記する |
実務での私の本音を言うと、最後の砦は不動産会社の精算書です。起算日と金額の根拠をきちんと書類で出してくれる会社かどうかは、選ぶときの大事な判断材料になります。
よくある質問
よくある質問
年の途中で売っても、納税通知書はあなたに届きます。まずは納税通知書と契約書を並べ、起算日を確認するところから始めてください。それだけで、精算金の話はぐっと見通しが良くなります。
- funds.jp(売却時の固定資産税精算の解説)
- 国税庁 質疑応答事例(未経過固定資産税等に相当する額の取扱い)
- 三井のリハウス(不動産売却と固定資産税の精算)
- イクラ不動産(固定資産税の精算金)
- いえうり(固定資産税の精算に関する知識)
- 全日本不動産協会 法律相談(固定資産税精算金の取扱い)
- リクルート(固定資産税の精算と起算日の慣習)
- funds.jp(売却時の固定資産税精算の解説)
- いえうり(固定資産税の精算に関する知識)
- 三井のリハウス(不動産売却と固定資産税の精算)
- イクラ不動産(固定資産税の精算金)
- リクルート(固定資産税の精算と起算日の慣習)
- 国税庁 質疑応答事例(未経過固定資産税等に相当する額の取扱い)
