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譲渡所得・税金の基礎知識

譲渡とは?売却との違いや有償・無償の意味をわかりやすく解説

梶田 誠一 / 更新:2026-06-24
譲渡とは?売却との違いや有償・無償の意味をわかりやすく解説
「譲渡」と一言で言っても、不動産・株式・債権・著作権では手続きも税金もまるで違います。結論から言うと、譲渡とは有償・無償を問わず資産を他人に移す行為で、まずは「何を譲渡するのか」を特定することが出発点です。私は税理士として譲渡所得の申告を数多く扱ってきましたが、ここを曖昧にしたまま進めて損をする人が本当に多いんです。
  • 譲渡とは、有償・無償を問わず資産を他人へ移転させる行為を指す。
  • 譲渡所得の対象には、土地・建物・株式・金地金・著作権・鉱業権などが含まれる。
  • 譲渡制限株式の譲渡は、会社への承認請求から始める必要がある。
  • 譲渡承認請求から2週間以内に通知がなければ、会社は承認したものとみなされる。
  • 無償の株式譲渡でも、時価で譲渡したものとして課税される場合がある。

譲渡の結論

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譲渡で失敗しないための第一歩は、対象資産を特定し、それに対応する手続きと税金をセットで確認することです。

不動産なら名義変更と譲渡所得税、株式なら譲渡承認や株券交付、債権なら通知や承諾。譲渡という言葉は同じでも、必要な作業はバラバラです。

国税庁は、譲渡を「有償・無償を問わず資産を移転させる行為」と定義し、売買だけでなく交換、競売、公売、代物弁済、財産分与、収用、現物出資なども含むとしています。

「タダで譲ったから税金はかからない」は誤解です。無償譲渡でも時価で譲渡したとみなされ、課税される場面があります。

譲渡とは

譲渡とは、自分が持つ資産や権利を他人へ移す行為のことです。

譲渡とは

国税庁の定義では、譲渡には売買のほか、交換、競売、公売、代物弁済、財産分与、収用、現物出資まで含まれます。お金のやり取りがあるかどうかは問われません。

つまり「売る」だけが譲渡ではない、という点がまず押さえどころです。物々交換も、離婚時の財産分与も、税務の世界では譲渡として扱われます。

譲渡の意味

譲渡の意味は、対象となる資産の種類を確認してはじめて具体化します。

国税庁によれば、譲渡所得の対象資産には、土地、建物、株式等、金地金、宝石、書画、骨とう、船舶、機械器具、漁業権、著作権、鉱業権などがあります。

これだけ幅広いと、「譲渡の意味」を一つの説明で片づけるのは無理があります。だからこそ、自分が動かそうとしているのが何なのかを先に決める。実務では、ここを間違えると税額の計算そのものがズレます。

譲渡と売却の違い

民法 債権編#16 「誰でもわかる債権譲渡の基礎」解説 【行政書士試験対策】
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売却は譲渡の一種であり、譲渡のほうが意味が広い言葉です。

売却は「お金と引き換えに渡す」こと、つまり有償の移転に限られます。一方で譲渡は、有償・無償どちらも含みます。

譲渡と売却の違い
項目譲渡売却
対価の有無有償・無償どちらも含む有償のみ
含まれる行為売買・交換・贈与・財産分与・現物出資など代金と引き換えに渡す行為
言葉の範囲広い狭い(譲渡の一部)

正直に言うと、日常会話では両者を混同しても困りません。でも契約書や税務申告では、この差が効いてきます。無償で渡したのに「売却」と書いてしまうと、対価の記載で混乱が生じます。

譲渡は有償・無償を問わない

譲渡は有償・無償を問わないため、タダで渡しても課税対象になり得ます。

譲渡は有償・無償を問わない

無償の株式譲渡を例にすると、個人が無償または著しく低い価格で譲渡した場合、時価で譲渡したものとして扱う取扱いがあると紹介されています。

さらに譲受側が法人なら時価相当額を受贈益として、譲渡側が法人なら株式の時価を寄付金として扱うと説明されています。

「無償だから税金ゼロ」と思い込むのが一番危ない。時価で課税される前提で、譲渡前に試算しておくべきです。

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譲渡の手続きを進めるなら、契約書のひな形と税務の根拠を手元に揃えておくと迷いません。

私が相談を受けるとき、最初に確認するのは「契約書の文言」と「税金の前提」です。この二つが曖昧なまま実行に移ると、後から取り返しがつかない。

  • 譲渡の種類を整理した資料で、対象資産ごとの手続きを確認する。
  • 契約書ひな形で、譲渡禁止条項や承認手続きの抜けを防ぐ。
  • 譲渡所得の課税方法を国税庁の一次情報で押さえる。
  • 無償譲渡の税務取扱いを事前に試算しておく。

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譲渡契約は当事者の合意で効力が生じるため、合意内容を書面で正確に残すことが要となります。

株式譲渡について見ると、契約当事者の合意で効力が発生するのが基本です。ただし株券発行会社では、株券の交付がなければ効力が生じません。株券不発行会社なら交付は不要です。

この「株券があるかないか」で必要書類が変わる点は、ひな形を使うときに必ずチェックしてほしいところです。

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事業や資産を譲渡する取引でも、下請関係が絡む場合は契約条件の確認が欠かせません。

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私は税務が専門なので法令の細部までは踏み込みませんが、譲渡に付随する取引契約は税務上の処理にも影響します。契約条件と帳簿が食い違うと、申告のときに必ず説明を求められます。

だからこそ、譲渡実行の前に契約書のチェックリストを一度通すことを勧めます。

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譲渡に関わる代表的な論点は、譲渡制限株式の承認手続きに集約されます。

譲渡制限株式を譲渡する場合、株主または取得者は会社に対して譲渡承認請求を行います。会社が承認したら、決定内容を請求者に通知しなければなりません。

ここで重要なのが期限です。譲渡承認請求の日から2週間以内に通知がない場合、会社は承認したものとみなされます。この2週間は定款で短縮できます。

2週間という期限は、株式譲渡の実務で最も見落とされやすいポイントです。請求日をカレンダーに控えておきましょう。

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【民法】債権譲渡を図解でわかりやすく解説講義♪行政書士試験 講義 独学
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譲渡契約のレビューで最初に確認すべきは、譲渡制限の有無と承認フローの整合性です。

譲渡制限株式の譲渡では、承認請求→取締役会または株主総会での承認判断→契約締結→名義書換、という流れが紹介されています。

譲渡制限株式の譲渡フロー
手順内容
1株主または取得者が会社へ譲渡承認請求を行う
2取締役会または株主総会で承認の可否を判断する
3承認後、譲渡契約を締結する
4株主名簿の名義書換を行う

レビューツールを使うかどうかは別として、この4ステップが契約書に正しく反映されているかは人の目で確かめる価値があります。

譲渡の種類

譲渡の種類は、不動産・株式・債権・知的財産権・事業の5つで大半をカバーできます。

譲渡の種類

それぞれで効力発生の条件や必要手続きが異なります。下の表は、私が相談時に最初に説明する整理です。

主な譲渡の種類と要点
種類効力・手続きの要点
不動産の譲渡名義変更(登記)と譲渡所得課税が中心
株式の譲渡当事者の合意で効力発生。株券発行会社は株券交付が必要
債権の譲渡債務者への通知または承諾が対抗要件となる
知的財産権の譲渡著作権など一部は譲渡できない権利がある
事業譲渡事業に関する資産・契約をまとめて移転する

譲渡制限付株式報酬という制度もあります。役員・従業員に譲渡制限を付した株式を報酬として交付するもので、一定期間の勤務などの条件を満たしてはじめて売却可能になると説明されています。

その制限解除は概ね3〜5年程度が一般的と紹介されていますが、これは一般論であって法定の期限ではありません。設計次第で変わります。

知的財産権では、著作権の一部など譲渡できないものがあります。「全部譲り受けたつもり」が後で覆る典型例なので、契約前に範囲を確認してください。

よくある質問

譲渡について相談現場で繰り返し聞かれる質問を、出典に沿ってまとめました。

よくある質問

譲渡とは?
有償・無償を問わず資産を他人へ移転させる行為です。国税庁は、売買のほか交換・競売・公売・代物弁済・財産分与・収用・現物出資なども譲渡に含むとしています。
譲渡の費用は?
対象資産によって異なります。譲渡所得の対象資産には土地・建物・株式・著作権・鉱業権などがあり、それぞれ課税方法が異なります。無償譲渡でも時価で譲渡したとみなされ課税される場合があるため、事前の試算が欠かせません。
譲渡の始め方は?
まず対象資産を特定します。譲渡制限株式なら、株主または取得者が会社へ譲渡承認請求を行うのが出発点です。請求から2週間以内に会社の通知がなければ承認したものとみなされます(定款で短縮可)。

最後に一言。譲渡で損を防ぐ近道は、契約と税金を別々に考えないことです。私はいつも、契約書の文言と税務の前提を同じ机の上に並べてから判断します。

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梶田 誠一

梶田 誠一

税理士(相続・譲渡所得申告を中心に個人の税務相談を担当) ・ 不動産会社との連携実績あり、売却から申告までの一連の流れを熟知

税理士事務所での実務経験をもとに、不動産売却にまつわる税金・特例・申告手続きを一次情報に当たりながら平易な言葉で解説しています。読者が自分のケースに照らし合わせて判断できるよう、具体的な数字と制度の根拠を示すことを大切にしています。

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