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譲渡所得・税金の基礎知識

譲渡所得税とは?計算方法から節税のポイントまで徹底解説

梶田 誠一 / 更新:2026-06-24
譲渡所得税とは?計算方法から節税のポイントまで徹底解説
不動産を売って利益が出ると「いくら税金を取られるのか」が一番気になるところだと思います。結論から言うと、土地や建物を売ったときの利益には譲渡所得税がかかり、所有期間が5年を超えるかどうかで税率が大きく変わります。
  • 譲渡所得税は、土地・建物などを売って得た利益(譲渡所得)にかかる税金です。
  • 土地・建物の譲渡所得は給与など他の所得と合算しない「分離課税」です。
  • 課税譲渡所得は「収入金額−(取得費+譲渡費用)−特別控除額」で計算します。
  • 所得税の税率は長期譲渡所得が15%、短期譲渡所得が30%です。
  • マイホーム売却なら3,000万円の特別控除で税額がゼロになるケースもあります。

譲渡所得税の結論

不動産売却にかかる譲渡所得税の課税対象や計算のポイントについて解説!
不動産売却にかかる譲渡所得税の課税対象や計算のポイントについて解説!

譲渡所得税は、不動産を売って得た利益にだけかかる税金で、売却価格そのものにかかるわけではありません。

私が相談を受けていて一番多い誤解が、これです。「3,000万円で売れたから税金が高そう」と不安になる方が多いのですが、課税されるのはあくまで利益(譲渡所得)の部分。

国税庁も、課税譲渡所得金額は「収入金額−(取得費+譲渡費用)−特別控除額」で計算すると示しています。買ったときの値段や売るためにかかった費用は差し引けます。

高く売れても、買った値段+費用を上回った利益がなければ譲渡所得税はかかりません。まず「利益が出ているか」を確認するのが出発点です。

対象税目

譲渡所得税は所得税の一部であり、土地・建物の譲渡所得は他の所得と合算しない「分離課税」で計算します。

対象税目

譲渡所得が生じる資産は、土地・建物だけではありません。株式やゴルフ会員権なども対象です。ただし、土地や建物の売却は、給与所得や事業所得とは切り離して税額を出す点が特徴です。

実務上は、所得税に加えて住民税、そして復興特別所得税も併せて納めることになります。「譲渡所得税」という単独の税目があるわけではなく、これらをまとめた呼び方だと理解しておくと混乱しません。

概要

譲渡所得税は、資産を売って得た利益に対して、所有期間に応じた税率で課される税金です。

ポイントは2つだけ。「利益はいくらか」と「何年持っていたか」です。

利益の計算は前述の式どおり。そして所有期間が5年を超えれば長期、5年以下なら短期に区分され、税率が変わります。長く持っていたほうが税率は低くなる仕組みです。

正直に言うと、相談現場でつまずく方の多くは「いつ取得して、いつ譲渡したか」の数え方です。ここは後の章で具体的に説明します。

計算方法・計算式

【初心者向け】不動産を売却した際にかかる『譲渡所得税』の概要と税金を安くする4つの特例を解説
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譲渡所得税は「課税譲渡所得金額×税率」で求め、その課税譲渡所得は「収入金額−(取得費+譲渡費用)−特別控除額」で計算します。

まず利益を出し、そこに税率を掛ける。手順はこのシンプルな2段階です。

譲渡所得税の計算ステップ
手順内容式・ポイント
①利益を出す収入から取得費と譲渡費用を引く収入金額−(取得費+譲渡費用)
②控除を引く使える特別控除を差し引く−特別控除額(例:3,000万円)
③税額を出す課税譲渡所得に税率を掛ける課税譲渡所得金額×税率

取得費が分からない場合は、売却価額の5%を概算取得費として使う方法があります。ただしこの扱いは国税庁の原典で必ず確認してください。

所得の計算方法(土地や建物を譲渡したとき)

土地・建物の譲渡所得は「収入金額−(取得費+譲渡費用)−特別控除額」で計算します。

所得の計算方法(土地や建物を譲渡したとき)

取得費とは、その不動産を手に入れるためにかかったお金です。購入代金や建築代金のほか、購入時に払った印紙税・登録免許税・不動産取得税なども含められます。

建物については、年数の経過分(減価償却相当額)を差し引く必要がある点に注意してください。買った値段がそのまま取得費になるわけではありません。

譲渡費用は、売るために直接かかった費用です。仲介手数料や売買契約書の印紙税などが代表例です。

取得費・譲渡費用に含まれる主なもの
区分具体例
取得費購入代金、建築代金、購入時の印紙税・登録免許税・不動産取得税
譲渡費用仲介手数料、売買契約書の印紙税など売却に直接かかった費用
取得費が不明なまま売却価額の5%で計算すると、利益が大きく出て税額が膨らみがちです。購入時の契約書や領収書は必ず探してください。

税額の計算方法(土地や建物を譲渡したとき)

税額は、所有期間が5年超の長期譲渡所得なら所得税15%、5年以下の短期譲渡所得なら所得税30%を課税譲渡所得に掛けて求めます。

これに加えて、住民税と復興特別所得税がかかります。復興特別所得税は、平成25年から令和19年まで、基準所得税額の2.1%を所得税と併せて申告・納付します。

民間の解説では、住民税まで含めた実効税率として、短期39.63%・長期20.315%という数字がよく使われます。これは所得税・住民税・復興特別所得税を合算した数値です。

所有期間と税率の違い
区分所有期間所得税率実効税率(目安)
長期譲渡所得5年超15%20.315%
短期譲渡所得5年以下30%39.63%

正直、この差は無視できません。所有が5年前後なら、譲渡のタイミングを少しずらすだけで税負担が大きく変わることがあります。

根拠法令等

【不動産売却】売った時の税金!譲渡所得税の計算方法
【不動産売却】売った時の税金!譲渡所得税の計算方法

譲渡所得税の計算と税率の根拠は、国税庁のタックスアンサーNo.1440に整理されています。

私が記事や相談で数字を確認するときは、まずここを開きます。分離課税であること、計算式、長期15%・短期30%の税率、復興特別所得税2.1%まで、すべてこのページで確認できます。

民間サイトの数字を見たときも、最後は必ず国税庁の原典に突き合わせてください。実効税率や特例の細かい条件は、解説サイトごとに表現が違うことがあります。

関連リンク

マイホーム売却の計算は、国税庁の「暮らしの税情報」が最も平易にまとまっています。

関連リンク

このページでは、マイホームを売ったときの譲渡所得を「譲渡価額−(取得費+譲渡費用)−特別控除額」で計算すると案内しています。式の意味を確かめたい方に向いています。

3,000万円特別控除をはじめとする特例の有無で、税額は大きく変わります。自分が特例の条件に当てはまるかを、原典で一つずつ確認してください。

関連コード

譲渡所得税を調べるなら、覚えておくと便利なのが国税庁タックスアンサーの「No.1440」というコードです。

検索窓に「1440 譲渡所得」と入れるだけで、土地・建物の譲渡に関する基本ページにたどり着けます。

特例ごとに別のコードが割り振られているので、3,000万円特別控除や買換え特例を調べるときも、コードで引くと迷いません。

お問い合わせ先

取得費不明の不動産の売却。譲渡税を抑える方法ある?税務相談Q&A【#382】
取得費不明の不動産の売却。譲渡税を抑える方法ある?税務相談Q&A【#382】

制度の確認は国税庁、個別の計算や特例適用の判断は税理士に相談するのが確実です。

取得費が不明、相続した不動産を売る、特例の条件がはっきりしない——こうしたケースは自己判断が危険です。私の実務でも、概算取得費5%で計算するか実額で攻めるかで、税額が数百万円単位で変わった例があります。

申告期限は売却した翌年の確定申告期間です。特例の適用には申告が必須のものが多く、申告しないと控除を受けられません。早めに準備してください。

税の情報・手続・用紙

不動産を売って利益が出たら、原則として翌年に確定申告が必要です。

税の情報・手続・用紙

確定申告では、譲渡所得の内訳書、売買契約書の写し、取得費・譲渡費用が分かる領収書などを用意します。3,000万円特別控除などの特例を使うなら、それぞれ求められる添付書類があります。

申告書や内訳書の用紙は国税庁サイトから入手できます。e-Taxを使えば自宅から提出も可能です。

確定申告で主に必要な書類
書類用途
譲渡所得の内訳書譲渡所得の計算内容を記載する
売買契約書の写し売却価額・取得価額を証明する
取得費・譲渡費用の領収書差し引く費用を証明する
特例ごとの添付書類3,000万円特別控除などの適用に必要

よくある質問

相談現場で実際によく聞かれる質問を、要点だけまとめました。

よくある質問

譲渡所得税とは?
土地・建物や株式などの資産を売って得た利益(譲渡所得)にかかる税金です。土地・建物の譲渡所得は他の所得と合算しない分離課税で、課税譲渡所得は『収入金額−(取得費+譲渡費用)−特別控除額』で計算します。
譲渡所得税の費用(税率)は?
所得税の税率は、所有期間5年超の長期譲渡所得が15%、5年以下の短期譲渡所得が30%です。これに住民税と復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)が加わります。
譲渡所得税の始め方(手続き)は?
まず利益が出ているかを計算し、出ていれば売却した翌年の確定申告で申告・納付します。3,000万円特別控除などの特例を使う場合も、申告が必要です。
利益が出ても税金がかからないことはある?
あります。マイホームの売却で一定の条件を満たせば3,000万円の特別控除が使え、課税譲渡所得がゼロになることがあります。ただし適用には確定申告が必要です。

最後に一言。まずやるべきは「購入時の契約書を探すこと」です。取得費が証明できるかどうかで税額が大きく変わります。それが見つかったら、国税庁No.1440で自分のケースの税率を確認してみてください。

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梶田 誠一

梶田 誠一

税理士(相続・譲渡所得申告を中心に個人の税務相談を担当) ・ 不動産会社との連携実績あり、売却から申告までの一連の流れを熟知

税理士事務所での実務経験をもとに、不動産売却にまつわる税金・特例・申告手続きを一次情報に当たりながら平易な言葉で解説しています。読者が自分のケースに照らし合わせて判断できるよう、具体的な数字と制度の根拠を示すことを大切にしています。

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